毎年ワラビを届けてくれるお爺ちゃんがいます。
もう牛飼いもやめて20年くらい経つのに、
今だに世話になったからと、毎年ワラビを持って来てくれる。
父の仕事は、牛飼いの農家さんから、農家さんへ橋渡しをする仕事でした。
家畜商という仕事。
信用だけでやって来た仕事です。
そんな、「信用」の商いを、私は小さな頃から見ている。
両親が養豚を始めて30年。
紆余曲折ありながら、バトンは三代目に繋いだ。
そして今、新しい養豚を考えながら前進して行く。
基本は、豚達が幸せに短い生涯を生ききって、人を健康にする事。
無残だと思う人もいるだろう。
大切だと思う人もいるだろう。
人間は、必ず命を頂いて、この自分の命を生かせている。
食べないで、飲まないで、生きてる人間はこの世には居ない。
必ず生きている食べ物を食べ、命を繋いでいる。
ならば、この生きた食材は、どんな一生が幸せなのか。
お米、野菜、果物、お肉、魚。
などなど。
全て生きている。
日々成長している。
『いただきます』
『ご馳走さま』
毎日なにげなく食べている食物は生きています。
そんな、小さな頃からの生活環境が、今の私を作っている。
1人では、何も出来ない。
沢山の方々の声をいただき、良く考え、感じ取り、最善方法を見つける。
1人が動けば、世界は動く。
動かなければ、何も始まらない。変わらない。
両親が、苦労を重ねたこの仕事を続けて行くために。
御先祖様から受け継いだ、この山を活かすために。
安心して、皆様に食べていただけるように。
有限会社 藤原畜産
藤原 仁 藤原 喜代子